今更一人で幸せになるなんて
山口百恵という歌手がおりました、昔。
今は引退して三浦友和氏の奥さんですね。私は当時も特にファン
でもなかったけど、そりゃぁ、引退の時には大騒ぎだった。彼女は
数あるアイドル歌手の中でトップを走っていたし、アイドルから大人
の歌手へ上手に変貌を遂げた最高の例でもあったから、老若男女
を問わずファン層が広かったのでしょう。
しかし、その多くは引退を歓迎するものだったと記憶している。
一人の愛する男性と結ばれるために潔く芸能界から去るという彼
女の選択が世間には好意的に受け入れられたし、素敵なことだと
言われていた。
でも、私には不思議でならなかった。許せなかったと言ってもいい。
前述のように、私は別に彼女に深い思い入れがあるわけでもない。
それでも、私の目にはこう映った、
「彼女にとって歌とは、音楽とはそんなものだった」と。
彼女の歌を追い続けてきたファンなどはいい面の皮である、と。
もちろん、歌手が個人的な幸せを求めることは当然だ。もし、そ
のために歌を捨てなければならないのなら、歌を捨ててもいいの
だと考えるのは人間として普通なのだが、それは手酷い裏切りで
しかない。彼女は幸せの前にいるかも知れないが、それは音楽が
もたらしたものだし、その音楽を支えてきたのはファンである。私
には彼女がそのファンを置き去りにして、自分一人が幸せになる
道を選んだように思えて仕方なかった。
今でもそう思っている。
例えば、美空ひばりはどうだろう?
もちろん、彼女だって個人的な幸せは追求しましたよ。
でも、恐らく彼女の中ではいつも歌が一番だった。まぁ、こちらが
飽き飽きするほど彼女の最期については番組が作られるけど、
そういうものを見る限りでは、彼女は命懸けで歌を歌っていたで
しょう。自分のため、そしてファンのため。彼女のファンは幸せだ。
美空ひばりは命を懸けてまで、東京ドームコンサートを行ったん
だし。
人間だから、どういう道を選ぶ権利もあるし、誰だって幸せになり
たい。引退して幸せになる道を選ぶ人がいてもいいのだ。
でも、それを許すというファン心理は今だに理解出来ないなぁ。
ファンは「悲しいけど、彼女が幸せになるならいい」と考えるのだ
ろうか?それがファンか?ファンの側にもそれほど深い思い入れ
は無かったのかも知れない。そういうあっさりした関係なのかな。
「あなたは今更一人だけ幸せになるなんて出来ない人間なんだ」
こう言ってはいけないだろうか?
音楽家ってそういう重荷を背負わないでもいいのだろうか?
私は背負うべきだと思っている。
それが重いのなら、その重さについても歌にして欲しい。
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山口百恵の結婚引退についての
賛否、是非・・・これ難しいですよね。
いち音楽家としてリスナーから向けられた重荷を
どう捉えるかで、その是非も変わってくる・・・。
もともと、音楽人も含めた表現者に課せられた
背負うものって、
あとから、ゲイジュツカになりました。
だから僕は、これだけの重荷を背負いますというものではなくて、
もう生まれついた時にすでに背負っているものが
決まっているんではないかと思うのですが、
ん〜どうでしょう?(長嶋風)
投稿: 鮎沢郁弥 | 2008年5月25日 (日) 17時57分
特に彼女の場合は小さい頃からの家庭環境の影響で「幸せな家庭」に憧れていたと聞いています。
だから、今幸せでいいのでしょうが、逆に、芸能界を道具と考えていた、ファンを利用したという風な印象が拭い切れないんですね。
まぁ、別に歌って欲しいとも思わないんですけど。
投稿: 髪結床 | 2008年5月25日 (日) 19時19分
やはり小さい頃の家庭環境が大きく影響を与えていると思いますよ。私は女だから共鳴します。
美空ひばりは実力派演歌歌手だけど、山口百恵はなんと言ってもアイドルですからね~。「若いうちに引退するのが花」と考えたのかもしれませんよ。
蛇足ですが、それに比べて森昌子はかわいそうだなぁ。
投稿: 青葉ゆり | 2008年5月26日 (月) 14時41分
確かに美空ひばりとは違いますよね。
その割りに山口百恵ってヴォーカリストとして評価が高い気がする。表現力があるなどと言われて。そ
れが不思議ですね。それほどではないと思うんですよ、だからこそ、「引退してよかったね」と言えるわけだし。
投稿: 髪結床 | 2008年5月26日 (月) 21時05分