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2008年6月 6日 (金)

過去の名作とどうしたら戦えるか

以前甲本ヒロト氏がインタビューの中で、「自分たちのCDを自分

が好きなアーティストのCDを並べて棚に置いた時は嬉しかった」

というようなことを言っていました。

実によく分かりますよね。彼らブルーハーツがデビューして、CD

を発売、そのCDを自分ちのCDラックに置いてみる、するとそこ

には自分が今までファンとして聴いていたアーティストのCDと並ん

でるんですから、これは一種「プロになったんだ」という感慨もあっ

ただろうし、単純にただ嬉しいという気持ちもあったでしょう。

かく言う私も恥ずかしながら一度だけそういう経験があります。

私のアルバムではありませんが、私の楽曲を取り上げてくれた方

がおりまして、それがCDになったのです。12曲くらいあるうちの

一曲だけでした、私が書いた曲は。でも、そのCDが棚に並んだ時

は嬉しかった。もちろん、歌っているのは私ではないのですが、そ

れでもそんな思いを抱くのですから、全てが自分たちの作品だった

ら、それはもう天にも昇る気分ではないだろうか。

とは言え、そんな思いばかりではないのだ。

自分ちの棚に並ぶだけなら、「嬉しい」で済むのだが、メジャーの

アーティストともなれば、全国どこのCDショップに行っても、そういう

状況なわけです。それはもちろん嬉しいのだろうけど、逆に重さを

感じるのではないだろうか?

言うなれば、そこにはビートルズもストーンズも、マイルス・デイビス

もチャーリー・パーカーも並んでいるのですから、そんな彼らと同じ

所にたって勝負していかなければいけないんです。

もちろん、この日本で、日本人の新進気鋭のアーティストが多額の

宣伝費をかけて売り出せば、ビートルズのCDよりも売れるでしょう

けど、そういうことじゃないんですよね。要は音楽界の中で、自分が

存在する意義がどれほどあるのか?、そんなことを考えるんじゃな

いかってことです。

今更この音楽が、何か新しいものを提供しているんだろうか?とか

これは以前に誰かがやったことの焼き直しではないのか?とか、そ

いうことを考えてしまうということです。

私はどうしてもそういうことを考えてしまうんですよね、まぁ、だから

こそ、「戦国絵巻ポップス」なんて誰もやっていないことをやりたがる

のですけど。

例えば日本のR&Bのアーティストたちはそれをどう考えているんで

しょうか?彼らの存在意義は一体何なのか?

当然、CDショップには彼らの先生とも言うべきアーティストのCDが

普通に並んでいます。スティーヴィー・ワンダー、ジェイムズ・ブラウ

ン、スモーキー・ロビンソンなどなど。彼らではなく自分の音楽を選ん

でもらう決定的な要素って何だと考えるのか?

今創りたてだということか?歌詞が日本語だということか?少なくと

も私にとってはそれは彼らの音楽を選ぶ決定的な要素にはならない

んですよね。

創りたての音楽もすぐにそうじゃなくなる。そうなった時に、過去の名

作と並べられて、どうしたら戦っていけるのか?これって非常に厳し

い現実だと思います。

とりあえず、私は「戦国絵巻ポップス」としか言えないかな。

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